ち ょ っ と い い 話

今月は松くい虫について、紹介します。

日本人に好きな樹木をあげてほしいといえばおそらく松と桜をあげる人が多く、松と桜はイメージがわくほど日本人には親しまれ、この木を知らない人はいないと思います。
 松は、世界で約100種類あり、そのほとんどが北半球に分布しています。
 日本にはそのうち8種類あり、代表的なものには、アカマツ、クロマツ、五葉松などがあります。
 昔から松は海からの強風や農作物を塩害から守るため、海岸に砂防林として植えられたり、急峻で崩れやすい山に松を植え、水害や土砂から私達の生活を守り、国土の保全に大きな役割を果たして来ました。
 
 また、松は、木材として強度に優れた性質をもっているため、建築材として瓦や積雪などの重みに耐えられる強度が必要な梁や桁などに使われています。
 そして、一番皆さんが知っているものとして、アカマツ林に秋に出るキノコといえば?マツタケです。
 松は私達の生活に多くのものを与えてくれる木なのです。
 
 しかし、最近松の木が赤くなって枯れている山が目に付くよ赤く枯れた松うになりました。
 松枯れの原因となるものは、様々ありますが、その中でも特にアカマツ、クロマツ等、甚大な被害を被っているのが、マツ材線虫病、いわゆる松くい虫による被害です。
 
 松くい虫による松枯れは、マツノザイセンチュウという、体長0.7〜1mmの小さな線虫をマツノマダラカミキリというカミキリムシが5〜7月にかけて運びます。
 マツノマダラカミキリは健康なマツの小枝をかじり、このときにマツノマダラカミキリが運んできた、マツノザイセンチュウが枝に出来たキズ穴から木の中に入り込みます。
 7〜8月には、外観的には異常は見られませんが、この時期に樹脂の流出が止まり、枝先が黄ばんでくるなど初期の症状が現れてきます。
 マツノマダラカミキリはヤニの出なくなった異常な松の木に卵を産みつけます。
 8月の半ばを過ぎると葉はしおれ、赤くなり10月頃には木全体が枯れてしまいます。
 このようなことで、病原体であるマツノザイセンチュウとマツノマダラカミキリは共生しながらマツを枯らしていくのです。
 
 松くい虫による被害は、マツノマダラカミキリが多く発生すればするほど病原体のザイセンチュウを運薬剤散布(スパウター)んでいくので、被害を未然に防ぐ対策として、マツノマダラカミキリの成虫を殺虫する「予防」と幼虫を殺虫する「駆除」に分けることが出来ます。
 予防には空中散布、地上散布、樹幹注入などがあります。
駆除にはくん蒸処理やチップ化などがあります。
マツノザイセンチュウから松を守るには、このような予防と駆除を効果的に組み合わせて伝染の鎖を断つことが必要です。
 これからの時期は予防ということで、5月下旬〜7月上旬頃までに薬剤散布を行う必要があります。
 
薬剤散布(ヘリコプター) 薬剤散布は、空から松の木へヘリで散布する空中散布と地上から大型防除車により薬剤を散布する地上散布があり、どちらもマツノマダラカミキリが枯れた松から脱出する直前と脱出最盛期に散布することが大切で薬剤を生きた松の若枝に付着させておくことで、松の葉をかじりにきたマツノマダラカミキリは殺虫され、マツノザイセンチュウの侵入を防ぐことが出来るのです。
 散布時期は地域、また、その年の気温によって違ってきますので、マダラカミキリの脱出期を予測することが大切です。
 
薬剤散布(ガンノズル)県森連は長年この薬剤散布を行っていますので、脱出時期等の県内データから気温等を照らし合わせて散布時期を見極めています。
 県内では6月上旬〜7月上旬までの約1ヶ月がピークを迎える頃であり、この時期に散布を行うことが一番大切です。
 散布の実施については、防除実施基準に従い、散布地域の選定、農作物への被害防止、自然環境や生活環境の保全に十分配慮するなど適切な実施に気をつけています。
 平成18年6月1日作成(緑の対策課)



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